「水は方円の器に随う」――。中国の古典『論語』の一節に、こんな言葉があるのをご存知でしょうか。四角い器に水を入れれば水も四角い形になり、丸い器に水を入れれば水も円形になる。転じて、人も環境や付き合う人物いかんで良くも悪くもなるという意味です。これって、“器”の本質を突いていると思いませんか? いい器は、そこに注がれた水や盛り付けられた食事を、いっそう魅力的にしてくれるのです。前置きが長くなりましたが、そんな“いい器”をつくる陶芸家、吉田直嗣さんの作品が集まる展示会が開催されます。吉田直嗣さんは、東京造形大学卒業後、陶芸家の黒田泰蔵氏に師事し、2003年には富士山のふもとに築窯。シ...